医学系メモ

医学を学ぶために様々な役に立つサイト様や文献から勝手ながら引用、部分引用させていただいた医学メモ。間違いがあればコメントよりご指摘ください、もう一回調べ直したいと思います。

超音波 基礎 カテゴリなし パート2

 

 

・閉塞型肥大型心筋症

  心室中隔の非対称性肥厚がみられる。

  大動脈弁に収縮期半閉鎖がある。

 

コントラストエコー法では生理食塩水を使う方法がある。

 

・駆出率正常値60~80%

 

・弁口面積はBモード短軸像で弁口をトレースして求められる。

 

・ドプラ法による血流測定は赤血球からの反射波を利用している。

 

・パルスドプラ法の繰り返し周波数は数kHz

 

・ドプラ法では最大流速がその70%になるまでの時間を圧較差半減時間(PHT)という。

 

・大動脈弁閉鎖不全症の逆流血はドプラ法で検出できる。

 

・大動脈弁狭窄による圧較差の推定はドプラ法で検出できる。

 

・重症僧帽弁狭窄における拡張期の流入血の速度が非常に速いときカラードプラ法で

 モザイク状を呈する。

 

・大動脈弁口の最大流速が4m/sのとき圧較差は64mmHg。

 4×V×Vに代入して4×4×4=64

 

・心房中隔欠損症

 心室中隔の奇異性運動

 

・大動脈弁閉鎖不全症

 拡張期に僧房弁前尖にフラタリングが認められる。

 

膵臓は食事の影響を受けやすいので検査前に絶食が必要。

 

・腹部超音波検査膵臓を描出するには脾静脈を目安にするといい

 

・疾患

 肝腎コントラスト増強:脂肪肝

 転移性肝癌:クラスターサイン

 肝嚢胞  :後方増強

 肝硬変  :肝辺縁部鈍化

 肝細胞癌 :側方陰影

 

・婦人科の超音波検査の際は膀胱充満法

 

・膀胱の超音波検査の前には排尿前に行う

 

・胆嚢は食事により収縮するので腹部超音波の検査の前は絶食

 

・超音波に使用するゼリーは37°に温めておく

 

超音波検査は胃透視検査の前に行う

 

 

超音波 基礎 カテゴリなし

 

一問一答を解き、正しい答えをカテゴリはめちゃくちゃですがなるべくまとめました。一応、超音波基礎→超音波各部門の順にはなっているかと思います。

また、他のページと重複する点多々あると思います。

 

 

・超音波の伝搬速度には波長と周波数が関係する。

 また伝搬速度は臓器によって異なる。

 

・超音波は水中で縦波として伝搬する

 

・超音波の伝わる速度 水中>空気中

 

・超音波伝搬速度 水1530m/s 空気340m/s 肝臓1570m/s

         骨4080m/s

 

・超音波診断基準では音速1530m/sを基準として画像を表示する

 

・方位分解能と距離分解能

 ①方位分解能

 発射された超音波の進行方向に対して直行して存在する2点の識別。

 方位分解能向上のため音響レンズが使われるがその材質は生体よりも音速の遅いも     のが用いられる。

 

 ②距離分解能

  発射された超音波の進行方向にある奥と手前2点の識別

 

パルス幅↑で分解能↓

 

・10MHzの超音波の水中での波長は0.15nmである

・波長↓周波数↑ ⇒ 減衰↑…つまり深部の画像が観察しにくくなる。

・波長↓周波数↑ ⇒ 距離分解能↑

 

・超音波は媒質に吸収されたエネルギーは熱へと変換する。

 

・探触子の振動子について

 チタン酸バリウム鉛、ポリフッ化ビニルデンは振動子の圧電材料で、

 これらは両端に電圧がかかればその結晶の構造が変化して長さが変わる性質があ   る。+と-の電圧を交互にかけ続けると材質は伸縮を繰り返す。

 

・超音波の直径について

 超音波の直径は方位分解能と関係性が深い。

超音波の直径が大きいとビームが直進する近距離音場は延長する。

超音波の直径が短いと近距離音場の方位分解能は向上しビームが広がりやすくなり拡散してしまい深部まで到達できない。

⇒深部領域(遠距離音場)の方位分解能をよくするために超音波の指向性を向上してかつビームの広がりをよくするため振動子を凹面化する。

 

・密度が異なった物質の境界面からの超音波の反射率は音響インピーダンスが高くな    るほど大きくなる。

 

・鏡面現象…横隔膜によって起こりやすい

・音波の屈折…腹直筋によって起こりやすい

 

・音響陰影…嚢胞

・コメット様エコー…多重反射

 

・体外走査…リニア、セクタ、コンベックス、アーク

・体内走査…ラジアル←経直腸により前立腺の検査を行う。

 

・健常成人の心臓超音波検査では左房は上行大動脈の後方に位置する

 

 

 

・健常成人のMモードで心室中隔厚10mmは正常。

 

・健常成人のMモードでE/A比1.1は正常。

 

・左室拡張終期容積はポンボ(Pombo)の式で求められる。

ポンボの式ではMモード左室容積短径をDとし、それを3乗することで左室容積の概算が求められる。ほかにBモード四腔断面・二腔断面を使用したシンプソン(Simpson)変法がよく用いられる。

 

 

 

心エコー

・使用される周波数:2〜7MHz 

・セクタ型2.25~3.5MHz

・当てるポイント:心基部第3ないし第4肋間胸骨左縁、心尖部、心窩部、胸骨上窩

・体位:左側臥位

・注意:左腕を外転挙上、深い呼吸を控える

 

◆Bモード

①傍胸骨長軸像

・胸骨左縁第3~第4肋間

・画像右側→心基部、画像左側→心尖部(心尖部先端は描出されない)

・描出されるもの:右室、心室中隔、左室、左室後壁、心膜、大動脈、大動脈弁、僧帽弁、左房

 

②傍胸骨短軸像

大動脈弁レベル

描出されるもの:大動脈弁、左房、右房、右室流出路、肺動脈弁

 

僧帽弁口レベル:僧帽弁前尖、左室流出路、右室

 

腱索レベル、乳頭筋レベル

描出されるもの:左室、右室

 

③心尖部長軸像

描出されるもの:左室、右室、左房、大動脈

 

④心尖部四腔像

描出されるもの:左室、右室、左房、右房

 

⑤心尖部二腔像

描出されるもの:左室、左房

 

 

◆Mモード

・記録:25mm/sec    50mm/sec

①大動脈弁エコーグラム

描出されるもの:右室流出路、大動脈基部、左房

右室流出路径(RVOTD)と大動脈弁(AOD)→心電図R波のピーク時相で計測

左房径(LAD)→最大の時相で計測

RVOTD:AOD:LAD=1:1:1

大動脈径22~35mm

左房径 25~39mm

*特徴

大動脈は平行して動く2本の曲線である

収縮期…平行四辺形

拡張期…一本の線

 

②僧帽弁エコーグラム

*特徴

拡張期…前尖は大きなE波と小さなA波でM型を示す。

収縮期…一本の線

 

僧帽弁EPSS(中隔とE点の厚さ):5mm以下(<5mm)

僧帽弁EFスロープ(DDR)   :60mm/sec(>60mm/sec)

 

 

③左室エコーグラム

特徴

拡張期…心室中隔が前方に左右後壁は後方に

収縮期…心室中隔が後方に左右後壁は前方に

 

右房径(RVD):10~20mm

心室中隔厚(IVST):7~11mm

左室拡張終期径(LVDd):38~54mm←心電図R波の頂点の時相で測定

左室後壁厚(LVPWT):7~11mm

左室収縮末期径(LVDs):22~38mm

 

 

◆心機能評価について

・左室内径短縮率(%FS)

 (LVDd-LVDs)/LVDd×100より

 基準値:28~54%

 

・左室容量(LVV(ml))

 Pomboの式よりLVV=Π/3×LVD3乗

 Teicholz法よりLVV=7LVD3乗/(2.4+LVD)

・左室駆出率(%LVEF)

 SV/(LVDd)×(LVDd)×100より

 基準値:55%~(60~80%)

・一回拍出量

 (LVDの3乗)-(LVDs3乗)

 基準値:50~100ml

・心拍出量

 心拍数×1回拍出量

 基準値:4 ~9 l/min

・圧較差

 ⊿P=4×V2乗(血流の2乗)

 基準値:1~2

 

 

超音波 操作法

 

◆操作

・検者は被検者に向かって左側(被検者の右側)に座って右手で探触子を操作する。

 左手はパネル上で画像の微調整。

・探触子と体表の接触をよくするためゼリーを十分に塗る

・腫瘍性病変を見つけたら少なくとも2方向から走査する。

・横断像-画面の左側が被検者の右側

                  画面の右側が被検者の左側

 縦断像-画面の左側が被検者の頭側

                  画面の右側が被検者の足側

 

◆探触子

探触子は結晶を挟む2枚の振動板からなり、その振動板に高周波電圧をかけることにより振動板から超音波が発生する。



振動板にはチタン酸バリウム、ジルコン酸チタン酸鉛などが用いられる。



振動板の直径は方位分解能と関係がある。

一般に探触子の直径が小さいほど近位領域の方位分解能は向上するがビームが広がりやすく拡散しやすいため深部に到達できない。





・頭部:セクタ型

・心臓:セクタ型2.25~3.5MHz

・眼 :セクタ型5~10MHz

・耳下腺、顎下腺、甲状腺、乳腺:リニア型5~7.5MHz

・上腹部:コンベックス型3.5~5MHz

 肝臓→左側臥位で見やすくなる

 胆嚢→右季肋部斜走査、右肋間走査で見やすくなる

    絶飲食で検査

 膵臓→心窩部横走査で見やすくなる

    半座位、脱気水で検査

 脾臓→左肋間走査で見やすくなる

・後腹膜(腎、副腎):コンベックス型

          仰臥位、腹臥位

・骨盤(膀胱、前立腺、子宮、卵巣):コンベックス型

  十分に尿を溜めて検査し骨盤内のガスを頭部に押しやる

 

 

 

 

超音波 性質

 

可聴音の周波数:20〜20kHz
実際に超音波で使う周波数:2MHz〜20MHz

 

 

・音響インピーダンス

音響インピーダンス(Z)は密度(ρ)と音速(c)で表され、生体内の組織で異なる。

Z=ρ×c

空気が一番小さく、骨が一番大きい

 

 

 

・周波数と波長

 周波数:波が単位時間あたりに振動する回数

     音の高低は周波数で表される

 波長 :波1周期分の長さのこと

 

音の周波数(f)と波長(λ)と音速(c)の関係性

 c=f×λ

 

 

反射

境界面に達した超音波(入射波)は境界面に垂直な線(法線)について対称的な方向に向きを変えて進む。この現象を反射という。

入射角と反射角は等しい。

超音波ではこうした反射波をとらえて画像化している。

反射の大きさ:R=(Z2ーZ1)/(Z2+Z1)

Z1、Z2はそれぞれの音響インピーダンスを表わす。

 

 

屈折

屈折は音速の異なる媒質の境界面で波の進行方向が変わる現象。

境界面における屈折の大きさは各媒質における音響の比により決まり、スネル(Snell)の法則が成り立つ

 

減衰

超音波のエネルギーが失われる現象。

超音波の減衰は周波数に依存する。

周波数は高いほど大きい。

このために種々の周波数成分を含む超音波が媒質内を伝番する場合、深部に進むにつれて周波数の高い成分から減衰していき、周波数に達するのは周波数の低い成分のみ。

→深部を観察するのには周波数の低い超音波を用いる。

 

 

*周波数が高いと… 

指向性↑距離分解能↑方位分解能↑透過性↓減衰↑

減衰が大きくなるため深部は見えにくい

 

 

超音波基礎 パルス反射法など




◆パルス反射法:Aモード、Bモード、Mモード
•Aモード
反射波の強度を振幅で表示する。
縦軸:距離(時間)、横軸:振幅

•Bモード
反射波の強度を輝度に変換し超音波ビーム走査と表示走査を対応させて断層像を表示する。


•Mモード
反射波の強度を輝度変換し、超音波ビームは固定し反射源の距離の時相変化を表示する。


◆探触子(プローブ)
振動子(トランスデューサ)部分にはジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、ポリフッ化ビニルデン(PVDF)が用いられている。 


◆受信器
ゲイン:明るさに関係。
            電圧の増幅度
STC:明るさに関係。
         深度に影響される
ダイナミックレンジ:コントラストに関係



◆走査方式
セクタ走査 2.25〜3.5MHz 心臓
                    5〜10MHz 眼
リニア走査 5〜7.5MHz 表在、甲状腺
コンベックス走査 3.5〜5MHz 腹部

  

*超音波の分解能
近接する2点を識別する能力のこと。

•距離分解能
超音波の進行方向の分解能のこと。 
周波数が高い(波長が短い)ほど良い

•方位分解能
超音波の進行方向と直交する方向の分解能のこと。
超音波ビームが細く収束してるほど良い。

超音波ドプラ法

 
 
 
ある周波数の超音波を血管に当てその中を動く赤血球からの反射波の周波数を測定するがその周波数はドプラ効果により発信周波数とは異なる(ドプラ偏位)
ドプラ偏位を利用し血流の流れの状態(速度、方向)を知る方法をドプラ法という。
 
超音波ドプラ法はドプラ効果を利用して血流の速度を測る方法
 

 

特徴など
◆連続ドプラ法
別々の送信器と受信器が必要
高速血流の測定可能
距離情報なし
簡易ベルヌーイの定理を用いて心腔内の圧較差の推定が可能
 
◆パルスドプラ法
探触子に近づく血流は上向きに、遠ざかる血流は下向きに表示される
単一の素子で送信と受信を行う
測定速度には限界がある
距離情報が得られる
→測定限界速度を超えると折り返し現象を生じる
測定可能範囲を超えると折り返し現象が出現するため繰り返し周波数を上げるなどの対応で回避する。
 
◆カラードプラ法
血流の方向と速度をカラーで表示しBモード画像に重ねて表示したもの。
血流情報を色に変換して表わすもので逆流や短絡血流などの異常血流のスクリーニングに優れた方法
速度は明るさ(輝度)で表す
近づく血流は赤色、遠ざかる血流は青色
 
 
 
 
関連
超音波ドプラ法で血流速度を計測する手法のこと
 
*角度依存性
血流速度を計算するためには超音波入射角と血流方向のなす角度に応じて補正が必要。角度は20°以内にする。